私たちの大多数がアリ型人間である為、キリギリス型人間を理解している人は、殆どいません。
ごく少数派のキリギリス型の人が、よいアイデアを出すと、アリ型の人は、すごい才能のある人だ、と評価します。
才能でかたづけてしまい、自分もよいアイデアを出そう、と思う人は、殆どいません。それは、キリギリス型の人が観えている事を、アリ型の人には観えないからです。
キリギリス型の人を、一言で説明すると、三次元思考をして、思考を拡散する人です。
物事の捉え方が、アリ型の個別的、具体的ではなく、上位概念、例えば手段ではなく目的、で捉えられる観方をする為、物事を全体的、俯瞰的に捉えられます。
これは、時系列で物事を捉えられる事を意味するので、物事の変化に気づく事が早く、全体から仮説を立てる事ができる為、変化から原因を突き止めたり、全体から本質を掴んだりできます。
この考え方をする為、もの知り、と言われる様に、いろいろな事を聞いても、答えられる人が多いです。もし答えられなければ、どうして答えられないかを追求する人です。
キリギリス型の人は、自分の知っている事は、全体の一部である事を理解出来る為、自分には、知らない事が多く存在する事を分かっているます。
その為、自分に分からない事は、追求する気持ちを持っています。
現在の様に、複雑な事がどんどん起きている世では、キリギリス型は、物事を追求する事を通して、いろいろな事を洞察出来るようになり、問題を事前察知したり、問題の原因を追求したりする為、問題提起、問題解決力もあります。
広く深い知識を持っている為、今後どのように変化するかを読んだり、周りの変化を察知したりする能力があり、経営者やリーダーに求められる資質になりつつあります。
キリギリス型の視点は、現場で問題がなぜ起きるかに視点がある為、現場を細かくよく観ていない事があり、アリ型よりも仕事が遅いなどの、現場力に欠ける部分があります。
現場力は、日本の強みであり、利益を生む源泉になるので、現場力が弱い事は弱点になります。
考える事を優先するので、業務推進力に欠ける、行動力に欠ける部分があります。
キリギリス型の人の特徴は、物事を広く深く理解出来る事です。
この特徴は、現在の様な複雑な社会では、アリ型経営者には観えていない所が観える為、経営者として優れているのですが、今までの日本の事情で、アリ型ばかりが経営者や上司にいる為、日本企業には、キリギリス型経営、つまりイノベーションを起こせる様なやり方をしている企業は、殆どありません。
アリ型経営者や上司が、キリギリス型社員を活かせない為、元来キリギリス型人間であるのに、その能力を活かせない為、キリギリス型の能力を使わなくなり、更にキリギリス型人間が少なくなる現象が、日本には現れてきています。
発想力は必要であるが、発想力を持つキリギリス型人間を活かせない環境がある、と言うギャップが生まれています。
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