私たちは、四季が世界一はっきりしていると言われる日本の自然とともに、長い間暮らし、日本の文化を作って来ました。
私たちには、アリ型が非常に多く、付加価値を生み出す様な発想力を発揮できない事には理由があると思い、なぜ、アリ型が非常に多いか、仮説を立ててみます。
発想力とは、を見て頂ければ分かる通り、付加価値を生み出す様な発想力を発揮する為には、今あるものの背景まで知る、広く深い知識が必要になります。
しかし、私たち日本人の物事の観方は、表面的な観方を多く、広く深く見ていません。
なぜ、そのような観方になったのか、私たちには、アリ型が多い理由を、仮説してみます。
日本人に発想力のないアリ型多い理由は、3つの理由があると考えられます。
日本の自然が長い間に、日本人の感性を育て、出来上がった感性は、アリ型の特徴だった事。日本の教育が、アリ型を育て、キリギリス型を育てなかった事。今までは、アリ型の方が実績を上げられ、評価された事の3つです。
日本は、世界一四季のはっきり現れる国と言われています。植生も亜熱帯から亜寒帯までの分布があり、雨量の多い国です。しかも、起伏に富んだ国土は、いろいろな自然の変化をもたらします。
この国に住む日本人は、日々変化してゆく自然の変化を見極める目を、培うことになります。また植生が豊かである為、自然を利用した生活を支える、いろいろな道具や食料を、豊かな自然の中で育んできました。
この自然がもたらした環境に順応するように、日本人の感性は育ち、世界で一番微妙な変化を察知できる感性を持つようになりました。
この感性は、もの作りや食品に活かされ、日本の製品の質や日本食の微妙な味は、他国では出来ないものを生み出してきました。
この感性が、日本人の隅々まで行き渡った為、微妙な感性を持つ日本人は多いです。
この感性は、メリットとデメリットをもたらします。メリットは、優れた日本製品や日本食を生み出した事。
デメリットとしては、この感性は、表面的変化を察知する事に意識が奪われ、視点を表面的変化に固定させ、視野を狭くしてしまった事が、物事を広く深く観る事が出来なくなってしまった日本人を育てた、と仮説が立てられます。
この感性は、近代になり、もの作りに活かされ、1980年頃は、世界一もの作りの優れた国として、世界中で認められる様になりました。
また近年、日本食がヘルシーで美味しいと言う事で、世界中に認められる様になってきました。
この様に、この優れた感性が生み出すものが、今まで大きな利益をもたらしたため、この感性を時代が変ってきた今でも、今までの感性を頼りにした方法でしか、物事を行えていない国になっています。
長年かけて築いた感性だから、個人個人の隅々まで浸透しているので、変り難い状態が今の日本にはあります。
日本の教育も今思えば、キリギリス型を育てない教育を行ってきました。
日本の教育は、知識を多く詰め込み、その知識を早く正確に出す事で、人を評価してきました。一つしかない答えを、早く正確に答えられる教育です。
この教育は、ただ単に知識を記憶するだけで、答えを出せます。米国の様に、考えなければ答えが出ない問題ではありません。
記憶し、記憶を引き出すだけの教育は、知識の量が優劣の判断になります。その為、記憶する事が目的になり、記憶したものをどう役立てるか、は問わない事になります。
この優劣の判断基準は、今となってはいろいろな事の弊害になってきています。例えば、言われた事しかやらない社員。そのやり方も、表面的によいと思う事だけを、行うやり方です。行う事が、他にどう影響を与えるか考えないで行います。
目に見えている事、観えていることから簡単に想像できる事のみに、興味がある為、狭い浅い観方しか出来なくなってしまう事になります。
日本の教育が考えない教育である為、社会に出ても、考える事をしない事になり、今でも企業の採用基準に、知識の量に重きをおいた、学歴が非常に重視されています。
確かに、多くの知識を持っていると、決まった事を正確に早くする事はできます。その為、公務員等は、能力を発揮できます。また、企業での決まった業務、例えば経理等には能力を発揮できます。
しかし、新たな方法を考え出す等、入れる知識がない前例がないものに対しては、まったく役立つ事は出来ません。
教育のあり方も、キリギリス型を育てなかった理由になります。
最後は、実社会でどういう事が起きているかです。今までの日本が、上記の理由で、多くのアリ型を作ってきました。その為、日本人の9割は、アリ型人間になっている、と細谷氏は言います。
アリ型とキリギリス型の違いは、アリとキリギリスの違いはどこにあるか、に譲りますが、もう一つの理由に、アリ型が大多数である事が影響します。
アリ型は視野が狭い為、キリギリス型が観えている部分で、観えない部分があります。
今まで、日本の文化が影響してか、多くのアリ型を育てた為、企業の経営者や上司に、アリ型が非常に多い事が影響すします。
アリ型の人は、キリギリス型の一部しか観られないので、企業経営において、キリギリス型の人を活かせない事が起きます。
権力格差が大きいと言うのも、学歴社会を生み、キリギリス型を活かせない理由の一つです。
この為、本来はキリギリス型であるのに、アリ型になる努力をする事になり、キリギリス型が少なくなる、理由になってきています。
もう一つ原因になる事があります。アリ型とキリギリス型を同じ職場で働かせて、権限を限定すると、アリ型の方が優れた仕事ができます。
自由に広範囲に権限を持たせた職場である場合は別ですが、同じ土俵(職場)で勝負をさせると、アリ型の方が、優れた結果を出す場合が多いです。
これは、決められた枠内であれば、アリ型の方が、知識を使った実行力を含めて、結果を出せる為です。
この為、大多数のアリ型がいる現実では、キリギリス型のよさを認めて上げなければ、キリギリス型は活きてこないのです。
その為、アリ型を目指す人が多くなるのです。
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