インストラクショナルデザイン(以後IDと表現)と言う、研修等の学びを効率的、効果的にデザインする考え方、捉え方があります。日本では、アクションラーニング同様、あまり普及が進んでいないようですが、当組織は、使い方で非常に役立つのではないかと、普及に力を入れたいと思っています。
そこで、当組織が考えるIDとは何か、を書く事にしました。
IDに関係する書籍はいくつも出ているようなので、当組織は、3冊の本と、論文に書かれている事から、IDとはどう言うものかを説明して行きます。
ごく大雑把に表現すると、IDとは、研修等を始めとした知識・スキルを習得する方法を、心理学やID理論を使い、効率的で効果的な方法で行えるようデザインする考え方、捉え方です。
IDの考えに沿って研修などの学びを行えば、私たちが常日頃行っている研修とは違い、確実に、必要な知識・スキルを得る事ができます。確実に1つひとつの知識・スキルを得られるので、結果として効率的に働くようになります。
又、学び方も、研修講師のレクチャー中心にデザインする訳ではなく、参加者が、自ら研修に参画するようデザインするので、自主性、やる気も生まれ、研修での小さな成功で、自信も得られるようデザインされているので、よい結果に繋がり易くなります。
IDの詳しい説明は、後に譲るとして、IDの基本的考え方は、適材適所であり、必要な人に、必要な知識・スキルを、必要な時に効率的に効果的に提供し、学んでもらう事です。
その為に、ID理論や心理学を使い、覚え易い様に、自信がつくように研修をデザインして行きます。
研修が効率的、効果的であるため、社員のスキルアップスピードが早く、他社より成長スピードの速い企業を作れることが、特徴です。
グローバル化、IT化の進展で、世の中は、大きく変化し、企業も、変化に対応する事が求められる事が多くなってきています。社員の知識・スキルアップが必須になってきた今では、非常に役立つのがIDではないでしょうか。
IDは、元々教育工学から生まれた考え方で、学びを確実にできる様にデザインする考え方です。
IDの為に多くの理論や心理学などの学問が用意されているので、他社でIDを取り入れる場合、1つの研修に対し、研修の成果に重点が置かれ、確実に学べるテクニックに注目されるのではないでしょうか。
そんなことはないよ!と言うかも知れませんが、私たちは、どうしてもテクニックに注目してしまいます。
又、当組織が目標とする成人学習の方が、初期には手間暇が掛かる事が、あるからかもしれません。
当組織のIDに対する捉え方は、人と企業に重点を置いています。社員がいかに満足度の高い学びができ、その学びを通して、企業に貢献できるかが、当組織の目的です。
研修の成功の為にテクニックを使うと考える場合と、私たちの能力アップの為にテクニックを使うとでは、行動が違ってきます。
他社では、研修の成功に注目し、当組織は、成人学習と言う、社員自ら学び、知識・スキルを得て行く事が基礎の学び方をする学習法に、注目する事になります。
行う事は、同様の事を行うと思いますが、注目点の違いから、研修の進め方、IDの理論や学問の位置づけが違います。
他社は、研修の学びを効率化、効果的にするため、IDに用意された理論や学問等のテクニックを使い、効率的、効果的な研修を行うよう1つひとつのテクニックに注目し、そのテクニックが最大限の効果を発揮する様に、研修をデザインすると思います。
なぜかと言うと、重点が研修の成功だからです。人を成長させることに、重点がないからです。
当組織の目的は、IDの隠れた目的、成人学習を社員1人ひとりが身につく事です。
成人学習を身につけることが、社員1人ひとりが自分のペースで能力を引き出せ、納得感がある学習が生まれ、最大の成果を出せる方法であると思います。
IDに用意された理論や学問は、成人学習を可能にする為の道具、と捉え、理論、学問は、今まで出来なかった成人学習を可能にするもの、土台を作るもの、と捉えます。
もう一つの理由が、強い企業が持つ、工夫改善が当たり前の企業文化を作る為、成人学習に重点を置きます。
この企業文化の基礎は、社員1人ひとりの積極的な業務参加から生まれますので、成人学習を身につける事は、1人ひとりに業務に対する自覚が生まれ、工夫改善の企業文化を作り易くなるからです。
又、当組織の特徴である、新たな付加価値を生み出す発想力は、成人学習を身につけると、発想力も身につき易くなるからです。
成人学習は、社員が自主的に学習をする事が基礎ですから、社員1人ひとりの能力が向上しますので、経費の掛かる集合研修は、質の高い研修になり、対費用効果が良くなり、採算の合う研修が行える様になって行く事も、成人学習を目指す理由です。
IDを取り入れる事から生まれてくるメリットは、いくつかのID取り入れ効果から、派生する形で現れるのではないでしょうか。
Ο研修学びを、効率的に効果的に行うメリット
学びが早く確実になるので、成長スピードの速い企業を作れる
この事は競争力のある企業に結びつき、一歩上の企業になる可能性を高め、社員の給料にはね返ってきます
Ο学びが確実になるメリット
人材育成を、企業戦略に組み込むことができる。これが更に成長スピードを高める
Ο社員に、満足感が生まれ、積極性が育つ
強い企業、工夫改善が当たり前の企業に近づく基礎が作れる
優秀な人材の確保に繋がり、更に強い企業の基が作れる
Ο企業の中の、コミュニケーションが良くなり、企業が活性化される
Ο社員能力の把握が正確になる
学びが確実になるメリット同様、社員能力を戦略に組み込むことができる。又給与査定に使える。
適切な人事評価に基づき、適材適所の人事配置が行え、社員満足度の向上が図られる
Ο成人学習が身につく事のメリット
工夫改善が当たり前の、強い企業になる土台が作れる
人事部以外の社員の、部下の管理コストが下がるが、成果は上昇する
学びの方法に多様性が生まれ、変化対応力が増す
IDのデメリット
IDでは、評価やフォローアップを頻繁に行いますので、IDを取り入れた研修学びは、やりっぱなしの研修と比較して、手間が掛かります。
IDを取り入れて、結果を出せる様になるまで、時間が掛かるデメリットがあります。IDでは、多数の理論や学問を使う事が多いので、慣れるのに時間が掛かるからです。
研修の成功だけにIDのテクニックを使うのと、成人学習をでき様にするためにIDのテクニックを使うのとでは、違いが出てきます。
研修の成功の為のテクニックになると、IDの中にある多数のテクニックが、IDの考え方に反して、こう言う場面ではこのテクニックを使う、と言う様に、テクニックの使い方が固定されてしまう確率が高まります。
しかし目的が成人学習となると、学び方は千差万別なので、各個人に合わせた学習法を選ぶ、と言う柔軟性が生まれます。
このIDの柔軟性は非常に重要で、真によいIDは、色々な学び方の中から、最も効率的で効果的な方法を選び、組み合わせる事で生まれてきます。
この捉え方の差が、長い間に大きな差となって表れてきます。
一方では、1つひとつの研修の成功に重点が置かれるので、IDで使われるテクニックを、なにかを実現する為の手段と捉える様になり、テクニックを狭く捉える様になるのに対し、成人学習を目的に研修を行えば、人を成長させるとは、どう言う事かに重点が置かれ、IDの1つひとつのテクニックを、広く捉えて使う様になるので、色々な場面で、IDのテクニックを使えるようになる、と言う、IDが真に求めるものに近づける事ができます。
IDには、研究者が考えた、色々な方法があり、本によって、書いてある事に違いがあります。
根底に流れるものは同じでも、使うテクニック、研修運営法には、多少違いが出てきます。
それは、研修のどこを見て考えたか、研修に参加する人の、どこを見たかの違いだと思います。
ですから、一つの本に書いてある方法だけが、最善の方法ではありません。
研修の内容、参加する人の資質に合った方法が、最善の研修を行える方法なので、テクニックを狭く捉えるのは、IDの本意ではありません。
目的を、成人学習に置くと、人を育てる事に重点が置かれ、研修での話し方を始めとして、人が育つような話し方になり、社員は成長して行けます。
成人学習を目標に据えると、成人学習のノウハウが、研修を通して身についてくるので、研修参加者の質が向上してくるだけでなく、1つひとつのテクニックをどう使えば成人学習が進むかが、分かってきて、成人学習の積み重ねができます。
当組織ではIDを、IDの考え方、やり方自体を学び、それを他に応用する、学ぶ為のノウハウの、と捉えています。
その為、業務を進める事にもIDのノウハウは応用できるし、他の事もみな、効率的、効果的に物事を進めるため、周りの情報を集め、1つひとつの情報の使い方を吟味し、組み合わせる事で、効率的、効果的になる様に、業務を進める様な事もできます。
一言で言うと、システム的に捉え、システム的対応をする、と言う事です。
当組織では、IDの考え方、捉え方は、非常に可能性があると思っています。可能性があるとは、色々な事に利用できる、と言う事で、研修だけで使うのではなく、企業経営にも、システム運用にも使える、と捉えています。
IDの基本的な考え方は、適材適所であり、必要な時に、必要な人に、必要な知識・スキルを、効率的効果的に学習できる考え方、と捉えています。
この考え方は、企業経営にも、組織運営にも、チーム活動にも、生産性を上げる為に必要な考え方、捉え方です。
どんな事にも役立つ、考え方ですので、利用しない手はない、と考えました。
なぜ、その思いに至ったかは、物事を学ぶ、習得すると言う、私たちが生きて行く為、活動する為に、必要不可欠な問題を、効率的効果的にできるからです。この考え方、捉え方から、色々な物事を生み出せる、と考えたからです。
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