IDでは、ニーズ分析から始まる各フェーズで行う事には、各研究者によって違いがあります。
起きるニーズに合わせ、学び手に合わせて、最適な理論、学問を使うので、絶対これと言うものはありません。
そこで、共通で行っている事、又は推奨している事を、各フェーズ毎に、書いてみます。
ニーズを明確にする為に、ニーズ分析を行う。
ニーズ分析は、現実と望む事とのギャップを埋めるため、ギャップを埋められる、あらゆるリソースを使う事を想定して、ニーズを明確にする。
ニーズを決定する→組織レベルを決定する→改善の為の、戦略と対策を決定する、方法で、ニーズを明確にする事もある
現実と望む事とのギャップがニーズになる事が多いので、本人と本人が望む事の間、個人と企業間、個人と社会間、個人と専門分野間、組織と社会間で、ギャップは起きる事を想定して、ニーズを見る。
本人が、企業が気づかないニーズもあるが、気づけないものは、ニーズにならない
パフォーマンス分析からニーズを分析する方法もある
研修を受ける学び手、学び手の上司、研修費用を負担する人、ステークフォルダー等幅広く調査してニーズ分析を行う
研修を受ける学び手以外に、学び手の上司、研修費用を負担する人、ステークフォルダー等幅広く、学び手の能力調査を行う
学び手分析の中には、研修に対する能力だけでなく、学習スタイルや態度も調べる必要がある。
通常ですと、学び手に対し、前提テスト、事前テストをして学び手分析を行う
調査項目には、学び手の知識、興味、研修で使う言語、学び手の影響範囲を入れ、調査を行う
ゴール分析の目的は、ニーズ分析で明らかになった事を、ゴールに据え、そのゴールを達成する為のプロセスを明らかにし、ゴールに到達し易くする事です
プロセスを明らかにできない場合は、どんなプロセスを加えれば、ゴールを達成できるか、考える事になります。
考え付かない場合は、ゴール設定に無理がある、と言う別な問題になります。
ニーズ分析、学び手分析、ゴール分析の結果データを基に、学び手が努力すれば、達成できそうな目的を、設定する事になります。
設定する目的には、具体性があり、どんなメリットが得られかが見えて、研修の内容が分かるものがよいです。
研修をデザインする際、IDの為に開発されたARCS理論や、第一の原理に沿ってデザインすると、効果ある研修がデザインできます。
IDでは、興味を持たせ、やる気にさせ、やれる自信を持たせ、やって自信がつくようにデザインする事が求められます。
これを実現でき、目的を達成できる、研修をデザインする事になります。
話の内容を、自分事として捉えられ、やれそうだと思わせ、やったらできて自信が持てた、と言うデザインする必要があります。
話す内容を、心理学にのっとって、現実に近い文脈の中で、学び手に関連付けて話す必要があります。
私たちの、記憶のメカニズムに従い、話す内容とタイミングをデザインする。
実地のプロセスで、実地した事が、適正な評価ができる様にデザインする。
言語情報のインストラクションには、一度に話す容量を制限し、精微化、チャンク化、体制化するよう話す。
IDで使われる理論や学問は非常に多く、これらをできるだけ多く知り、適材適所で使う事が求められています。
使われている主なものを挙げてみると、ARCS理論、第一の原理、カークパトリックの4段階モデル、研修時間配分の90/20/8の法則、記憶のメカニズム、精微化等の関連付けて記憶する方法、IDの学習の法則、状況的環境論、認知心理学、モチベーションを高く学んでもらう11の方法、行動分析学。ガニエ理論、成人学習の為の7つの原理、などがある。各自が、心理学、行動分析学などを基に考えた、IDを効率的、効果的にする方法が他にもあるし、自分で考えてもよい。
どんな理論や学問が使われているか、詳細は、使われる理論や学問・考え方2、をご覧ください。
これらのテクニックを、研修目的、学び手分析の結果を踏まえて、研修が効率的、効果的になるようデザインする事が、IDを取り入れた研修デザインには求められます。
研修をデザインする際、注意する点が2つあり、一つは、ニーズ分析から実地、フィードバック、ゴールに至るプロセスに、一貫性を持たせる事と、1つひとつのテクニックにこだわり過ぎないよう、全体のバランスを考えて、デザインを行う事です。
前の研修デザインで考えた、目的に合った素材、リソースを見つけるか、自分で作るかします。
リソース開発で必要な視点は、評価ができるだけ明確にできるリソースを見つけ出すか、作りだすかする事です。
ID理論や学問に合った素材で、目的を達成できるリソースを見つけるか、作るかします。
ICTを使ったリソースは、成人学習に向いていて、効率的、効果的になり易いので、使う様にします
リソース開発の際、開発するリソースが、どんな特徴を持っているか、を見分けて、適材適所で使う様リソース開発を行います。
ARCS理論や第一の原理に沿って、研修を進めます。
学び手との対話の際、色々に取れるオープンな質問は、避ける様にし、選択的な質問等にする。
第三者の話として話すと客観的、具体的、現実的になり易い。
具体的に5W1Hで、ストーリーテリングする。
学び手を、大人扱いし、尊重する様に扱う。
学び手が、能動的になる様に、質問する、行動させる、まとめる、調べるなどをさせる。
集合研修以外の学び方を、紹介する。
学びの基礎は個人学習である事を伝え、成人学習を薦める。
学びの目的は、成長する事であるので、成長の法則、少し上の目標を設定し、挑戦してみてその結果を得られ、その結果を活かす機会を与える様に、研修を進める。
フィードバックを適切に行い、学び手のやる気、自信を引き出す様に行う。
動機付け = 期待 × 価値 の法則に従い、期待と価値を調整して、動機づけが高まる様行う。
色々な学習スタイルに対応できるよう、色々に取れる話し方をする。
学び手と講師の間に、ラポールを形成し、方向づけを行い、動機づけを行う様、研修を進める。
この他に、研修のデザインで書いた色々なテクニックを織り交ぜて、興味を持たせ、やる気にさせ、やれる自信を持たせ、やって自信がつくように、研修を進める
学び手が間違った解釈をした時、完全にできる様になった時等に、学び手が反省する、やる気になる、自信が持てる様なフィードバックを行う。
フィードバックは、ポジティブに取れるように行う。
評価も、フィードバックの一つと捉え、ゴールが達成できるように行う。
研修全体を評価するには、カークパトリックの4段階モデルを使うと評価し易くなる。
プロセスの評価には、ARCS理論や第一の原理に沿って評価すると、分かり易くなる。
研修後の、行動変容を評価する。
成人学習を成り立たせる為には、適切な時、適切な評価が必要になる。評価をフィードバックとして活かし、修正する事で、一歩一歩進んで行ける。
前提テスト、事前テスト、事後テスト、移転テストは評価の基本的な方法です。
評価は、フィードバック同様、タイミングよく行う様にする。
個人を評価する場合、評価し難い場合は、ポートフォリオ評価法を行う。
評価は、できるだけ現実に近い文脈の中で、評価する様にする。
評価は、研修講師だけでなく、上司を始めとした周りの人を巻き込む必要がある場合がある
研修中、学び手にフォローアップが必要な場合は、研修講師の裁量でフォローアップを行い、ゴールを達成できる様にする。
フォローアップには、色々な方法があるんで、ブレンドフォローアップを行う方法もある。
ゴール未達成の為、達成を目的にしたフォローアップは、手間が掛かるが、効果がある。
行動変容が目的の研修は、フォローアップが重要なので、行動変容の為のフォローアップを行う。
ICTを使ったフォローアップは、対費用効果が期待できるので、行う様にする。
研修後のフォローアップは、上司の意向が重要になるので、上司を巻き込んで行う
ここに書かれている以外に、研修を、効率的に効果的にできる方法は色々ある。又、研修に関わる人が、考え工夫してもよい。