アクションラーニングは、優れた結果を出せる会議の仕方ですが、日本では普及し難いものと、当組織では考えています。
日本でアクションラーニングが殆ど普及しないのには、理由があります。私たちの物事の捉え方が、What思考をしているからです。すべてを、知識を得る事から始めようとし、物事の理解する事から始めないからです。
私たちの物事を習得する方法、例えば、リーダーシップを身に付ける事や、コミュニケーション力をつける事は、普通セミナーを開き、本質的な知識を学び、現実のテクニックをセミナーで覚え、身につけようとするセミナーだと思います。。
セミナーで得た知識、テクニックを企業に持ち帰り、実践の中で身につける事になります。
この方法で、どれだけセミナーで覚えた知識、テクニックを、身につける事ができるでしょうか。あまり役立たないセミナーも多いのではないでしょうか。
知識、テクニックを覚えただけで、実践で役立つスキルを身につけるには、限界があるのではないでしょうか。実務で実践しなければ、得られないものは多いと思います。
アクションラーニングでは、問題の本質をあぶりだし、本質に沿った解決策を作り、実践する事で学習する方法を、現実の会議の中で行います。この中には、自らの気づきや学習が多く生まれます。
アクションラーニングは、私たち物事の捉え方、What思考では、分かり難い部分が多くあります。
例えば、私たちは、一つの事に集中しすぎる傾向が強い為、アクションラーニングの効果が、問題解決、チームビルディング、リーダーシップ開発、組織学習、個人の能力開発がアクションラーニングを行う事で得られる、と言われても分かり難いと思います。
私たちの捉え方は、チームビルディングはこうする、組織学習はこうする、と具体的でなければ分かり難いです。
アクションラーニングでやる事には、一つの行動で、いくつもの効果が出るものが多く、これを理解するには、システム思考が必要なのですが、私たちの捉え方は、システム思考(Why思考から生まれてくる)とは距離を置いています。
この様な理由の為、当組織が行うアクションラーニングは、アクションラーニング協会が行う方法とは少し違う方法を取ります。
以下、どんなことをするか、具体的に書きます。
アクションラーニングを行うに際して、当組織が行う事を、挙げてみます。
アクションラーニングを行うにあたり、始める前の準備と、会議を始めてから行う事の説明です。
1、最初が、企業側に、現在より更に上を目指す気持ちがあるか、の確認です。アクションラ
ーニングは、簡単に身につくものではありませんので、企業を変える、と言う意志が必要に
なります。その確認です。
2、経営者にアクションラーニングを良く理解して頂き、アクションラーニングを行う気持ち
を持って頂く事です。
アクションラーニングは、普通の会議の仕方とは違う事。問題が起きる背景を深く掘り下げ
るトリプルループ学習ができる事。新たな価値創造までできる事。問題解決、チームビルデ
ィング、組織学習、リーダーシップ開発、専門能力開発と言った多様な目的を可能にする
事、などを良く理解して頂きます。
良く理解する事が必要な理由は、アクションラーニングは、普通の会議の仕方と違う事。慣
れない決め事が多く、決め事を守らないと、本来アクションラーニングで出せる結果を出せ
ない事。会議を進めるにあたり、会議参加者が、会議をスムーズに進められるようにするた
めです。
3、企業でアクションラーニングを取り入れる事が決まったら、企業の中で、ワークショップ
を開きます。
ワークショップの内容は、アクションラーニングを良く理解して頂き、アクションラーニン
グをスムーズに行うための基礎を作る事。アクションラーニングのメンバーになる気持ちが
あるか、問題解決の能力があるかを見極める為です。
実際にデモを行い、社員にアクションラーニングを良く理解して頂き、参加意思があるかを
確かめます。
この時点では、アクションラーニングの6要素2ルールの詳細を、説明する必要はありませ
ん。
4、受け入れ企業で、どんな問題を解決したいのか、解決したい問題を選びます。この問題
は、緊急性がある、解決する必要のある問題を選びます。
5、次はALコーチを決めます。当組織が最初のアクションラーニングのALコーチを務めま
す。
ALコーチの役割を、メンバーに理解して頂く説明をします。
最初のころは、アクションラーニングを進めるにあたり、いろいろな問題が出てきます。
出てきた問題を、どう処理するかは、アクションラーニングの事はもちろん、周辺知識まで
知っている必要があります。
6、問題を解決できそうな能力があると思われる社員を、本人の了承を得て、グループメン
バーを選びます。
選んだメンバーに新ためて、アクションラーニングを良く理解する説明を、ALコーチが行
います。
アクションラーニングをスムーズに効果あるものにするために、6つの構成要素、2つの原
則、会議の進め方、時間配分などを再確認します。
ここで、アクションラーニングをスムーズに進めるための、具体的な事を説明します。例え
ば、質問の種類や効果、行う事の目的と意味、などの説明をします。
7、実際にセッションを、決め事に従って行います。
ALコーチは、会議が決め事通りに、スムーズに、結果が出せる様に目を見張り、適切にリ
フレクションを入れたり、目的通りに会議が進んだりしているかの質問をします。
8、リフレクッションを行います。
目的は、質問を通し問題が再定義でき、行動計画に結びついているかを確認する事と、再定
義に従って行動計画を作成する事と、これまでの会議で行われた事を、ALコーチがメンバ
ーに質問する事で、リフレクッションを行います。
次にグループは、行動計画を作る事になります。
9、出来上がった行動計画を、検証するようメンバーに促します。検証内容には、計画を実地
する期限、計画実行の責任者を明確にしているかも含まれます。
次に、行動計画を実行します。計画した事と現実に起きた事を検証し、何が足りないか、何
に気づいたかなどのリフレクッションをします。
10、今回のセッション全体の振り返りをメンバー間に促し、リフレクッションをして頂き、
次回の会議日程を伝え、会議は終了します。
このセッションを何回か繰り返し、最初に提起された問題が、解決できるまで行います。
11.問題が解決できたら、この解決策を、全社に展開できないかリフレクッションをして、
提起した問題のセッションは、終了します。
私たちが普段から行っている、Plan do checkを高度にした、本質を探り、解決策を考え、解決計画を立て、検証し、実行し、学習する過程でアクションラーニングは進みます。
アクショラーニングとは
〒400-0853
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