アクションラーニングを効率的に、実のあるものにするために、アクショラーニングの会議の仕方には、6つの要素と2つのルールがあります。
6要素2ルールは、心理学や組織学などのいろいろな学問を統合してできたもので、6要素2ルールを守る事によって、大きな成果が出せる会議になって行きます。
6要素2ルールは、以下の通りです。
〇 問題
問題は重要かつ緊急性が高く、解決はグループに責任を持たせる必要がある。シングル問題
アプローチと、マルチ問題アプローチがあり、行う事に少し違いがある。
〇 グループ
アクションラーニングの核がグループである。4〜8人で構成され、複雑で困難かつ組織的
な問題に取り組む。メンバーは多様性を求め、斬新な観方、考え方を求める。自薦でも他薦
でもよく、組織外の専門家や取引先、顧客などを巻き込むことも可。
〇 質問とリフレクションを重視するプロセス
普通の会議のように意見を出し合うのではなく、質問とリフレクションを重視する。正しい
質問より適切な質問かどうか、何を知らないかに焦点をあてる。
効果的な解決策は、有効な質問から生まれる、と考えるので、問題の本質に迫る質問に重点
を置く。
質問は対話と結束を生み出し、革新的なシステム思考を促し、学習成果を向上させ、考えら
れる解決策の選択肢を塾考し、見極め、行動プロセスを通して問題解決に取り組む。
〇 問題解決のための行動を起こす
アクションラーニングは、問題の解決策を考えだすとともに、解決のために、実際に行動す
る事を求める。
グループは行動の権限を持っているか、グループによる解決策が、必ず実行されることを、
保証されていなければならない。グループの仕事が、問題の解決策を作るだけなら、問題解
決への意欲や創造力、コミットメントを失う。行動し、その行動を検証して初めて、本当の
意味での意義ある学習となる。
行動は学習を促す、行動はリフレクションの重要な基礎である。
アクションラーニングでは、問題を再定義し、目標を設定する事から始まり、その後、解決
策を絞り込み、解決策に沿って行動を起こす。
〇 学習へのコミットメント
長期的な視点に基づく複合効果としての学習が、メンバーだけでなくグループ全体で行わ
れ、組織を通して、システム的な視点から学習を促す。
短期的な問題解決と言う以上に、組織にとって非常に大きな戦略的な価値を生み出す。アク
ションラーニングは、問題解決と個人、グループ、組織の能力開発の双方に等しく価値を置
いている。
〇 ALコーチ
学習を促し、問題をできるだけ早期に解決するためには、グループの支援役であるコーチの
存在が重要になる。ALコーチはセッションで、何を学習し、どのようにして問題を解決す
るかをメンバーに考えさせる。
質問を通して各メンバーに、その質問をどのように理解したか、問題をどう再定義するか、
フィードバックをお互いどう与えるか、どのような行動計画立てて実行するか、どのような
前提がメンバーの信念や行動に影響を及ぼしているかについて考えさせる。
ALコーチはまた、メンバーが達成しようとしている目標は何か、どんな困難に直面してい
るか、メンバーが選択したプロセスは何か、実行にあったてのプロセスは何かに焦点をあて
させる。
アクションラーニングはこれらの6つ構成要素が適切に組み込まれた時、力を最大限に発揮する。
アクションラーニングプログラムの力を最大限に生かすため、混沌(カオス)と柔軟性(メンバーの多
様性、挑戦的な課題、創造的な質問、不慣れな問題や問題が発生している状況など)、アクションラーニングの実効性と時間の構造、および秩序(現実の課題、責任、説明責任、傾聴、検証、行動)を正確に把握しておくことが重要である。
混沌と秩序のバランスを取るために、質問と答えの数のバランスが必要になる。
アクションラーニングは、省察的な質問と継続的な学習に根ざしている。省察的な質問と継続的な学習を確立する事で、アクションラーニングを成功に導くことができる。
〇 意見は質問に対する回答のみ
質問は、メンバー全員の気持ちを守りの立場から攻め(質問する)の立場へと転換する事で
ある。
質問が第一と要求する事によって、グループ全体の雰囲気が変わってくる。
意見を述べたい、判断をしたいと言う衝動が、傾聴する、省察するという態度に変化して行
く。
ひとたびグループに問題が提示されると、メンバーは解決策を考えるのではなく、問題その
ものを明確にするために、質問をする。
質問の質および数と、最終的な行動および学習の質との間には相関関係がある。
〇 ALコーチはいつでも介入できる
ALコーチは、メンバーのエネルギーと注力を学習する方向に向けなければならない。
問題解決に巻き込まれてはいけない。
チーム学習が促進される機会を創り出す事で、グループの問題解決能力が育成され、革新的
な解決策が生み出される。
学習に焦点をあてる事を誰かに任せなければ、学習の重要性が、問題の緊急性にいつも追い
払われてしまう。
ALコーチが、グループが最大限に学習するために介入が必要だと考えた時、チーム学習を
すべきだと思った時、セッションがうまく機能していないと感じた時、問題解決に導くよう
な行動を取る必要があると判断した時、介入しなければならない。
ALコーチが介入した時、メンバーはグループは問題解決への取り組みを一時中断し、AL
コーチの質問に耳を傾け(ALコーチは質問のみ)その質問に答えなければならない。
ALコーチは介入のタイミングや時間に注意を向ける必要がある。ALコーチが介入した
時、メンバーは無意識のうちに問題解決に戻りたいと考えている。しかし介入後、グループ
はより活性化され、創造的になる事は間違いない。
ALコーチはセッションの終わりの10分前ぐらいに、セッションが終了する事を伝え、10
分間でセッションの間に学習した事や習得した知識が、個人、グループ、組織のどの局面や
状況で応用できるかを尋ね、メンバーに塾考の機会を与える。
アクションラーニングでは、会議の途中と終わりに、リフレクション振り返りを行います。リフレクションでは、どんな事をすればよいか、挙げてみます。
リフレクションを行う目的は、「回想する」「塾考する」「意味づけをする」「理解しようとする」「引き離す」事をリフレクションの中ですることで、会議で起きている事、実行した事で起きている事を反省したり、検証したりして、問題解決の手段を考えたり、問題に関する学習する事です。
目的を達成するためにリフレクションには、
@ 実態分析(問題を把握したり意味を理解する能力)
A 検証(他の解決策を試すための実験と塾考)
B 行動し、その行動に責任を持つ勇気、の3つの要素が必要となります。
当組織では、リフレクション行う際、瞑想を取り入れて、リフレクション効果を更に高める方法を取っています。
アクションラーニング自体が、省察的な考えを重視するので、前半のリフレクションの中で、最初の5分間くらい瞑想をし、会議で起きている事を振り返ります。その後5分くらいで、瞑想で考えた事を含め、振り返りを行います。
会議の最後のリフレクションは、実行して起きた事を含め会議全体を振り返って頂き、その後5分程度瞑想をして、今回の会議で得たものを整理し、次に繋がるようにします。
ここで行う瞑想は、自分を振り返る事、会議を振り返る事が目的で、無になる事が目的ではありません。
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