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中小製造業の生き残り策、当組織の見解

生き残る為には、見方、捉え方、考え方の転換が必要なのでは

「私たちには、大きな欠陥があるのでは」

当組織では、日本の製造業のビジネスには、大きな欠陥があるのではないかとの、仮説を立てました。

仮説を立てた理由は、製造業の競争力の国際比較をする論文を読んだことで疑問を持った事と、常日頃から疑問に思っていた、技術水準が高い日本が、なぜ、生産性が低いのか、などからです。

色々調べる中で、一つの仮説に行き着いた。その仮説とは、グローバル市場を日本企業はよく見ていない。私たちの意識は内向きで、自分の努力で何とかなる品質や技術開発に意識があり、海外の動向等外からの影響を、あまり見ていない事です。

これを証明できる証拠を集め、仮説が正しい事を、証明したいと思います。

「製造業の国際競争力調査が示すもの」

米国のデトロイト・トウシュ・トーマツ・リミテッドが行った製造業の国際競争力調査に基づいて、仮説が正しい事を証明してみます。

この調査によると、製造業の競争力を左右する要因を見ると、製造業の競争要因は、1位人材 2位コスト競争力 3位生産性、と書いています。ここを比較して、日本の特徴を浮き上がらせてみます。

競争要因を日本と外国で比較してみると、一番競争力に影響する人材ですが、トーマツの評価は、1ドイツ 2米国 3日本、少し離れて4韓国と書いてあります。どうしてこの順位なのかの説明は、ここでは控えるが、納得行く結果に思えます。

ここでこれから書く事に、総合競争力が現在1位か2位の、中国を外すのは、中国は、コスト競争力のみが特質して高いので、今後の競争力を左右する生産性を高める人材やIT技術の人材が多いとは言えなので、外す事にします。

話を基に戻します。人材に関しては、日本は3位なので、競争力はあると判断できます。しかし、2番目のコスト競争力、3番目の生産性が低い事には、何か深い訳があると、解釈をする事にします。

中国を外すと総合競争力がある順位を表すと、1位米国 2位ドイツ 3位日本 4位韓国になる。

なぜその順位が付いたかを追求してみます。米国の1位は、納得できます。人材は2位だが、コスト競争力、生産性がドイツ、日本より高い。その上、世界の頭脳を集め、ノーベル賞受賞者が、非常に多い事からも、豊富な人材があり、製造業の競争力に必要な、世界最先端の発見や技術開発やビジネス上の発想力が強いので、実力、規模ともに世界をリードしている国です。

次に2位のドイツですが、国を挙げて製造業の人材育成をしているので、製造業としてのノウハウの蓄積された国であり、人材の評価が1位の国です。

今後の製造業の競争力に大きく影響を与えるIT技術、IoTつまり、今後の競争要因のトップである、デジタル技術と現実の融合に強みを発揮する可能性が高いので、今後も競争力は、維持できると推測でます。

ドイツは生産性も高く、輸出額は日本より多く、欠点は、コスト競争力だけです。

問題は日本です。日本の人材には、IT技術関連に人材がいません。日本政府が米国の様なIT企業を作ろうと計画したが、実現できなかった事からも、人材がいない事が証明できます。

又、デジタル技術と現実の融合の点で言えば、米国、ドイツには、IoTの国家戦略があるが、日本には国家戦略と言えるものはない。今後の競争力に大きく影響する、デジタル技術と現実の融合をリードする人材がいない、と言う事です。

機会があれば詳しく説明しますが、日本の中小製造業での、IoTの取り組みを見ると、例えば、工場の一部の自動化の為のIoTだったり、部分的なIoT製品だったりするものを作っている所はありますが、IoT、IT技術が最も生きる、人とものの新しい組み合わせを視野に入れた、取り組み行っている所はない様に思います。

IoTはこれからどんどん伸びて行く一番有望な市場なのに、私たちは、積極的取り組もうとはしません。

これは、当組織の見解ですが、私たちの捉え方は、部分最適化であり、IT技術、IoTは、より多くの人ものを結び付けて付加価値を生み出すものである為、私たちの視野外になり、最重要な課題なのに、積極的に取り組まないのではないか、と想像できます。

現実問題として、IT技術の取り入れ方に、日本は遅れを取っている事を見れば、今後どうなって行くかが、ある程度、想像できると思います。

話を元に戻します。日本の人材が評価されるのは、高度な知識と詳細な事に気づく日本人の感性から生み出す、最先端の発見や技術開発です。この点では、米国に次いで人材が豊富なので、大企業の技術部長などのその技術の日本の第一人者が、高い講習費を取り講習会を行って、技術水準を高めています。

しかし、生産性が低い、成長率が低い事からも、これらの強みを活かすノウハウがないのが現実です。

この原因は、後述する、システム思考ができないので、バラバラな対応をしてしまい、ビジネスとしての強みを、生かすまで行っていないのではないかと推測できます。

競争力ある日本製品は自動車だけで、自動車は、日本の得意な、摺り合わせ技術が生きる製品である事と、トヨタや本田と言う、世界に誇れる企業があるから競争力があるのではないでしょうか。

ロボットと半導体の輸出が多いですが、ロボットは半製品である工場の自動化ロボットに強いと言う言事で、製品程付加価値が付けられない事と、半導体は部品である為、十分には利益の取れない製品です。

私たちの強みである最先端の発見や技術開発が、利益に結びつかない構造になっているのが日本です。

その他にも、日本の製造業における生産性実態の考察、と言う論文を書いている坂本重康氏は、日本企業は、トピックとして優れたものを持っていても、それをシステムとして普遍化し、客観的な表現で具現化する事が弱い為、他に移転されない、とも、日本企業の生産性活動は、重要と考えつく課題・方策を、無作為に対処するランダムアプローチであって、系統的に対処するシステムアプローチではない、欧米とは対極にあるものである、とも書いています。

個々の発見や技術開発は、世界で通用するレベルの事を行っているが、製品を作るシステムとしての製造業の実力を発揮できていない、と言う事です。

この事は、技術の集約が一番必要な航空機に表れ、欧米は、大型旅客機を作れるが、日本は作れません。製造業での、システム思考を必要とするマネジメント構築に、日本と欧米の差が大きくある、と言う事です。

「データから浮かび上がる事」

これらの事から浮かび上がる日本の製造業の特徴は、今後の競争力を左右する製品製造とIT技術を結び付ける人材がいない事、最先端の発見、技術開発できる人材はいるが、発見、技術を付加価値ある製品にして、グローバル市場で利益を上げる人材がいない事。

最先端の発見、技術開発は、ランダムに行われているので、せっかくの発見、技術が、生きた使い道に繋がってなく、世界をリードする様な製品が、作れていない事が、浮かび上がってきます。

要するに、個々の部品製造には強いが、システム思考が必要な製品開発や販売には弱いと言う、利益の出せない構造になっている、と言う事です。

気になるのはここからで、このまま行くと日本の製造業は、最先端の発見、技術開発から生み出される部品に強い国とのレッテルができてしまいます。

最先端の発見や技術開発が生きてくるのは、競争力のある自動車産業関連や一部のロボット製品に限られます。

最先端の発見や技術開発ができるのは、人材のいる大企業に集中されるので、人材のいない中小製造業の居場所がなくなって行く事です。

もう一つが、IT技術関連の人材不足から、デジタル技術と現実の融合の取り組みに遅れを取り、国際競争力を少しずつ落とす結果になって行くのではないか、と言う事です。

こう言う状況が生まれてくると、私たち中小製造業の出番は徐々に少なくなり、消えて行く運命を背負う事になります。少しオーバーな仮説ですが、上記した方向に向かっている事は、現実の取り組みから推測できるのではないでしょうか。

こう言う事実を生み出したのは、私たちの見方、捉え方に、製造業の競争力に影響する大きな欠陥があるからではないか、と当組織は判断して、最初の仮説、私たちに日本の製造業には、大きな欠陥がある、との仮説を出した訳です。

私たちの思考は、今回紹介した情報から、今回の様な仮説を立てられる程、内向きな、身近な事のみの思考ではないでしょうか。

中小製造業の場合の経営者の役目は、自社の置かれた環境や自社資源を考慮して、生き残り策、成長策を考えだす事だと思います。

経営環境を俯瞰的に見て、対策を考えだす事が、最も重要な仕事だと思います。その為にも、こう言う情報に敏感になり、真意を確かめ対処する事が、経営者に必要な事ではないでしょうか。

私たちが、物事をよく理解できない時、木を見て森を見ず、と言う言葉を使いますが、私たち日本人は、全体を見る、物事を俯瞰的に見る事が苦手です。どうしても、木つまり手元だけを見てしまうのです。

この見方が製造業の競争力に、どんな影響を与えるかを考えると、グローバル市場はよく見ないで、国内の事情を優先し、内向きな対策ばかりを行っている結果が、生産性、成長率を低くしている事と、システム思考ができないので、競争力ある製品は、自動車のみである事が見えてきます。

私たちの見方、考え方、行っている事には、理解できていない、見えていない部分があり、見えていない理解できない部分が、優れたものを持ちながら、国際競争力や日常生活に大きな影響を与える、生産性、成長率が低くなる現実が見えてきます。

欠陥がある見方、考え方や行動を変えて、グローバル市場で成長できる方法に変えなければ、今後も同じ低生産性、低成長に甘んじるだけでなく、10年後の生き残りも、中小製造業では危うくなります。

「今後どうすればよいか」

今まで一生懸命やってきて、現在があるのだから、この流れを変える事はできない、と思うのももっともです。今まで私たちの見方は、そう言う見方で生きてきました。

しかし生き残りたいのであれば、よく考えて欲しいのですが、今までやってきた事が現在を招いている訳です。今までの延長線上には、同様の結果しか待っていない事は、過去の20年からも想像できると思います。

成長できない、生産性が低い対策を、今すぐ打てるのであれば別ですが、私たちには妙案がないから、現在がある訳です。

新たに成長できる方法に変えて行かなければ、今までと同じ結果しか得られない事は、見えています。

生き残る為には、成長したいのであれば、現実に成長していて世界をリードしている欧米のやり方に、変える必要があるのではないでしょうか。

私たちに大きな欠陥がある事が分かれば、その対策を打てばよい訳です。しかし、どんな対策を打てばよいかを、分かる所は殆どないと思います。なぜなら、この様に、当組織の視点で市場を見る所は殆どなく、欠陥があるとは思ってないからです。

御社は、このHPの様に、私たちの見方、考え方を変える必要性を、熱心に詳しく説明している所を、どのくらい見てきたでしょうか。あまり見た事がないのではないでしょうか。

ここが他所と当組織の違いで、見方、考え方を変える必要がある、と言う様な難しい問題を当組織では見えるから、分かるから、注意喚起ができる訳です。

「具体的にはどうするのか」

私たちが考えた事もない欧米の捉え方、考え方をご理解頂くのは非常に難しいのですが、どんな事をするのか、の概略は書けますので、次ページ、どうしたら生き残れるかで説明してみます。

私たちと欧米人の捉え方、考え方の顕著な違いは、物事を追求しているか否か、の差だと思います。
物事は追求して初めて、その物事を分かった、と捉えるのが欧米人に対して、知識として覚えれば、分かったと捉えるのが私たち、ではないでしょうか。

この違いは、実際に分かった、と思う事を使う場面で、違いが出てくると思います。
どんな違いかと言うと、その分かった事を応用する範囲が違ってくる事です。

知識として分かった場合は、文脈が記憶した状況の場合しか応用できないのに対して、追求して分かる場合は、追求する過程で気づいた多くの事も応用できる点です。応用できる範囲が広くなる事です。

1つや2つの分かったの違いであれば、それ程差が出る事はありませんが、私たちは膨大な知識や知恵を持っていますので、この差は、欧米人に見えていて、私たちには見えないものを作ってしまう程の差になって、表れてきます。

「ページのまとめ」

ここで言いたかったことは、今までのやり方では、中小製造業は、10年後の生き残りもおぼつかない環境が日本にある事。

生き残る、成長したいのであれば、欧米が行っていて、日本が行っていないビジネス上の捉え方、考え方に変える必要がある事。

捉え方、考え方を変える習慣化する事は非常に難しく、ビジネス上の習慣を変えるとなると、ビジネスを含めて種々の製造業のビジネスを良くする幅広い知識が必要になり、このノウハウは、どこでもできるものではない事です。

捉え方、考え方を変える様なノウハウを持つ所は非常に少なく、当組織ではそのノウハウを持っている事。

なぜなら、私たちが行っている方法では、ここに書いた様な見方をしていませんので、この様な事を考えた事も、行動した事もないからです。